世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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2005年05月のアーカイブ
女性上位なイメージばかりが話題に上るこのバンドも、素直に聴けばかなりオシャレなパンクロック。そこらへんのアイドルまがいのガールズパンクよりは、よっぽどパンク精神を感じる。
かつてカート・コバーンとつきあっていて、スメルズ・ライク・ティーン・スピリットがこのバンドの人にインスパイアされて出来た曲だという事実などどうでもいいし、グランジなんて関係ない。ビキニ・キルはパンクなのだから、世の中に中指を突き立てていれば良いのである。
それにしても、このフェミニストっぷりはちょっと他に無いんじゃないかと思う。フェミニズム・パンクの王道。
今日は雨が降っていたので、一日じゅう頭が重い。
SDSのこの二枚組完全盤を聴いて、少しは楽な気分になったのだが、毎年この季節になると体調が悪くて仕方ない。
このアルバムは海外から出たインチキブートに対抗するため、オフィシャルで彼らの音源を完全収録して発表したもの。発売されてからすぐに売り切れるという人気ぶりで、一時再発したけどそれももう品切れ。そんなにファンいたっけ? と思いましたが、これだけいいものが売れない方がおかしいですよね。
SDSって何? と思った人は、これを何とかして手に入れてみてください。もともとが1500円なので、プレミアがついてても多分そんなに高くないと思います。高かったら店を怨んで下さい。それぐらい名作です。
もうジャケットの雰囲気とタイトルだけでノックアウトされました。
元アーントサリーのビッケ率いるラブジョイの9年ぶりのセカンド。
愛情とかせつなさとか、それらが全部体験できます。
温かい感情が複雑に沸騰しながら、ぼくたちを包み込んでくれる超絶盤。
また、NHKのみんなのうたフリークにもオススメできる完璧なうたもの。
ビッケの歌は個性的ですね。クセがあるわけじゃないけど、妙に力強くていいです。
日本語で歌う、というハードルなど、もうここにはありません。それを飛び越えて、歌によって新しい場所を開拓していく意気込みだけがここにある歌を構築しているのです。
また、生活の隙間にあるちょっとしたヒラメキや不思議なアイディアも存分に盛り込まれているので、これから家庭を持つという主婦志望の方にオススメです。よりよい快適な生活を提供。
チェルシーのギターはいつもかっこいい。
ポイズンの頃も、デスサイドのときも、常に独自の世界を押し出してきた彼が、
ここにきてとんでもない傑作を生み出した。
それがこのペイントボックス。
どの音源も素晴らしいけど、まずはこの1stフルアルバムから。
日本語が豊かなハードコア・サウンドに絡みつく大傑作。もちろん捨て曲ナシ。
テクニカルなメタル・フレーズから、乾いた大陸系の音まで、バリエーションも様々にチェルシーのギターは鳴り響く。
これを聴くと、日本のハードコアがまだまだ勢いを失ってなどいないことが実感できる。
これからハードコアを聴くなら、絶対に聴いておいて欲しい一枚として強くプッシュしておきます。
REZILLOSは銀紙にくるまれた僕たちの秘密のキャンディーだった。カラフルで、甘くて、ときに不思議な味もする。キラキラしたポップな演奏は、いまもなお極彩色の美しさを保っているのである。
このバンドの「フライング・ソーサー・アタック」は何度も何度も聴いた。ユングの著書「空飛ぶ円盤」を片手に、サイエンス・ノン・フィクションの世界が本当はファンタジックなんだという事実に気がつくまで、このアルバムを聴き続けた。
いまだにベースを手にすると、このREZILLOSのフレーズをぼこぼこ弾いてしまうのは、それだけこのバンドが強力なインパクトを持っていたからだと思う。このアルバムのベースプレイは、僕の基本としてこれからも根強く残るんだろう。墓場までもっていきたい音である。
セクシャルはかなりクオリティの高いハードコア。ヴォーカルはもちろんマディ森本さん。
こんなヤバい音出してるのに、このディスコグラフィーCDはいまだに売れ残ってますね。人気無いんでしょうか? 多分食わず嫌いなハードコア・ファンが手を出してないだけなんだろうけど。
内容的には、スターリンっぽさ丸出しの初期から、ダークで荒削りな昭和のスラッシュまで完全収録している充実盤。これで燃えないというならハードコアはもう聴くんじゃねぇ! と、なぜ一人で熱くなっているのかといえば、やっぱりヴォーカルの人が森本さんだから、という理由のみ。でもいいんです。好きなもんは好きなんだからさ。
グレートすぎるジャパコア必携盤なので、自殺レーベル関係は聴いたことがないという人はぜひここから入ってください。いま(2005年5月)でも普通に売ってますので。
アイラーの死体がイーストリヴァーで発見されたとき、時間は相変わらずモノクロームだった。曇り空、排気ガスの香り、アイラーの悲痛なサックス音。
団地のひび割れた壁を見つめつづけると、血まみれの政治的意識がこちらを覗き返してくる。灰色の静かな昼下がり。暑くも寒くもない。
アイラーの音は苦痛そのものであったのだろうか?
彼の音に、引き金らしい装置は付いていない。もちろん、楽譜やあらかじめ定められたルールも必要としない。彼の音はただ、汚れた川の水面を走る。物凄いスピードで、決してとまらない。
景色は展開されず、未来も開示されない。
しかし自己の魂だけは、美しく耀き続けている。
アイラーの死体は、そのまま処理された。
すべての芸術は窃盗であり、アーティストは倒錯した盗作者である。
芸術が窃盗でないというなら何なのか?
風景画は風景を盗み、彫刻は形状の万引きに過ぎない。そのような文化を芸術として定義してしまうことに、異議を唱えなかった歴史を安倍なつみは徹底的に利用した。
窃盗はイリーガルであり、常識的には許されざる行為であるが、ことに芸術という名目を間に介入させた場合のみ、それが突如として正当な行為としてみなされる。
しかし、安倍なつみの場合はあまりにもアーティストであり、窃盗行為のイデアが芸術的枠組みを破壊してしまったのである。枠組みの無くなったアートは、ただの犯罪行為の物的証拠となり、安倍なつみはアーティストから盗人になった。
しかしながら、私は安倍だけを盗人としておきながら、他の芸術家気取りを告発しないメディアや世の中の常識ラインが気に食わない。阿倍を盗人として告発するならば、現在のオリコンチャートなど窃盗ランキングとして警視庁の管理下におくべきであるし、テレビの音楽番組など本物の犯罪者が登場するような媒体なのだから、厳重に取り締まらなくてはならないと思う。
人々の芸術への関心は、いまもっとも希薄になっている。
システマの登場は、シーンにおいて一つの転換期を象徴している。まさかこんなスタイルのハードコアが日本から出てくるとは、当時誰も予想できなかった筈である。
とにかく速い。横浜のライヴハウスではまたたく間に彼らは伝説化され、海外にもその凄まじい演奏は広がっていく。まさに新世代のハードコアと呼ぶにふさわしいバンドであった。
また、独特の感触がソリッドに噛み付いてくる曲構成もすばらしいし、音の強度がそこらへんのバンドとは一線を画している。
これはそんなシステマティック・デスの音源を集めたCD。ハードコアであることを徹底的に体現しているので、避けては通れない道であろう。名盤。
チェリーレッドからのリリースで、久しぶりに僕らを楽しませてくれたバズコックス。その洗練されたパンクはまったく勢いを失っていないことが実感できる。
バズコックスのスマートな、それでいて激しく転がるサウンドは、もはや一つの定型としてパンクを支配している。ポップで激しく、ときにセンチメンタルな空気を伴って、彼らの演奏はやって来るのだ。
だから、窓を開けたまま寝ていると深夜にドブの臭いで目が覚めるし、イギリスの荒れた景色が寝室を覆いはじめる。
侵食のステージは最初から重い。逃れるための手段も押しつぶされてしまうほどであるが、バズコックスの悪夢のような側面は、そこから派生する。
あのサウンドの裏側にへばりついているホンの少しの哀愁のような成分が、きっと僕らをトリコにするんだろう。もちろん、それは灰色の絵画を、できるだけ暴力的に描くためのステップとしての話。
魔術の形式に、概念と道徳の区分けは必要ない。
グルーヴの斬新さ、リズムの心地よさ、メッセージの強度。すべてが渾然一体となり完成するのが上質なヒップホップである。トライブの身軽さは、ヒップホップのステージを高めたのではなく、好きなところに設置できることを証明した歴史的な意味を持っている。だからといって、「Qティップがすげぇ」とかどうでもいい感想は無効だ。彼らにとっての呪術は生活的な習慣と同じ位置で息づいている。
ひたすらシャープに切り込む姿勢は、ときに恐怖を作り出すが、彼らの足跡はいつだって美しくまとまっている。それがずば抜けた才能だなんて言うような奴は、一度死ななければヒップホップどころか生きている感覚さえ解らないだろう。だからこそ、入門的な一枚としては沈み込むセカンドではなく、こっちのアルバムなのである。
クラシック! この気持ちの悪い音作りはいったい何なのだろう?
ジャケも異様な風体だし、チャックDの暴力性はそのダイレクトさのあまりに、基準を大きく逸脱してしまっている。こんなヤバい音はもうこの先出てこないでしょうね。この時代のこいつらだからこそ出来た奇跡の変態サウンドがこれです。
そもそも、ヒップホップとはこういった得体の知れない呪術的サウンドのことを指していたはずなのだが、いつのまにか過去のフリーソウルなんかをオシャレにサンプリングして提示するだけのクズ音楽に成り下がってしまったのが残念。ちなみに本盤ではスレイヤーをサンプリングするなどして、基礎体力の違いを見せつけてくれる。中村とうよう以外の人にとっては名盤。
エレクトロニカの身体性を考えてみても、電子音と人間本来のリズムというのは上手く同調するものである。佐藤薫が何をもってしてこういった世界を築いたかは謎であるが、音楽的な発生の原理としてはまさに王道ともいえる出現パターンであったわけだ。
タコの1stに入っていた人質ファンクの饒舌な回転ぶりにしても、佐藤薫という天才を如実に音が表現している。彼のセンスの良さは、現在においても廃れることなく受け継がれているし、金属バットの少年と、昭和天皇の幻影が付着した時代感覚はすでに遠くへ置き去っているのである。
現代的な音作りであるとか、時代の先を行っていたなどと言うつもりは全く無い。ただ、ここにある音は時間軸を狂わせる、もしくは忘却させる機能を備えており、ミニマルに反復するリズムは常に迷宮を構築していくのである。
提示されていたものが無残な屍骸ではなく、何も無い死という風景であったからこそ、より一層終末の空気を漂わせているのだろう。
それがEP-4という装置である。
ちょっと前に、スマップの木村君かなんかが主演で出てた「ラブジェネレーション」ってドラマがあって、また早川義夫のジャックスにもそういう曲があって、両者ともに「らぶじぇね」と略していたのですが、思えばこの人たちのことは「ぶらじぇね」と略したもんだなぁ、と遠い目をしてかつてのロックンロールを思い出してみます。そう、これは青春モノです。
物凄くダサいことを平気でやってのける人を、人々は尊敬の眼差しで見つめます。このソノシートも、歌詞は青春ど真ん中な50年代風のメッセージが強烈。サウンドも真っ直ぐ過ぎるロックンロールで、正直カッコイイとは言えないパーツで構成されているのに、なぜか「カッコイイんじゃないか?」と思わせてしまう勢いがとても異色。
200円のソノシートでこれだけやってくれるんだから、素晴らしいとしかコメントできません。偉大!
カスレ声系ハイテンションボーカルが強烈な、京都のハードコアバンドWARHEAD!!
再発盤はカラーだったり、海外レーベルからのLP盤は他の音源もプラスされているので、どれを買ってもお得なWARHEAD。僕のはオリジナルCD盤みたいです。
もろ直球なジャパコアサウンドに、あの叫び声ボーカルが乗っかることによって生じるとんでもない破壊力こそがこのバンドの魅力。ライヴ、一回だけ見たけどとんでもなくカッコよく速かった。演奏スピードとは別の意味での疾走感というか、とにかく勢いに満ちたバンドです。
90年代初頭のハードコアを代表する一枚として、推薦。
大好きな映画です。くだらないストーリーに極端な残酷シーン。もう最高。
なんといってもたまらないのが、ときおり流れるアナログシンセのしょぼ過ぎる音色である。ここまで情けないBGMも他にないだろう。内容は別にどうってことないクズホラーなんだけど、一応簡単に書くと、ヒッピー集団が田舎町にやってきて、悪魔崇拝っぽい儀式をやるわけです。で、それを目撃した女性が犯されてしまいます。そのぼろぼろになった女性がゾンビみたいな姿で家へ戻ると、彼女の祖父は怒り狂って、猟銃片手にヒッピーの住処へ殴りこみますが、逆に返り討ちでLSDを食わされてラリってしまうのです。で、今度はその老人の孫が姉と祖父の敵討ちだっていうんで、狂犬の血をパイに混ぜてヒッピー達に食わせるわけです。そのため、ヒッピーたちは口から泡を吹いて凶暴化。みんな狂犬病になって暴れ回るのです。
とまぁくだらないのですが、暇つぶし程度で見るならばだいぶ楽しめるので、レンタル屋でみかけたら借りてみましょう。たぶん次の日はどうでもいい気分で一日寝続けるかもしれませんが。
最近音楽ばっかだったんで、たまには映画紹介でも。
これは悪名高いサムシング・ウィアードから出てた一本で、低予算70年代フィルムの隠れ過ぎた名作です。内容はギャング3人組が男を殺して逃亡。途中スーパーの店員を嬲ったりするどうでもいいような不快シーンを挟んで、到着するのが少女と身体の不自由な老人の住む家。で、結局ギャングたちが少女に惨殺されるのですが、ラストの一人(少女の身内だったのか?)の死に様がけっこうドラマティックで、いまだにそのシーンだけやたらと覚えている。
この映画、けっこういい加減な脚本で、うっかり複線に思えるシーンが実はまったく無意味なままで、ラストを迎えても何の説明もなく終わってしまう。それ以外にも、ひとつひとつのシーンがほぼ説明不足な感じなので、見ていて大分混乱させられるし、全体を通して気味の悪いほどダウナーな雰囲気に包まれているので、この映画特有のいやなイメージを植えつけられる。でも、そのいやな感覚がたまらないのである。
激しい惨殺シーンがある訳でも、ストーリーがいいわけでも、映像が美しいわけでもない。ただ、この独特の雰囲気は評価したいと思う。
愚鈍と並ぶ広島産のハードコア。切れ味鋭いこの2枚組ソノシートは、広島ハードコアを語る上でも極めて重要な作品。いままでCDで発売されないのが不思議なくらいである。
90年代初頭のリリースだったと思うが、このオリジナリティのある楽曲はもっと古い時代の感覚がしてならない。80年代のジャパコアが好きなら絶対ハマるでしょうね。
地方ハードコアの魅力は『ルーツが見えない』という点であり、このカサブタも、いったいどんな音楽背景があってこの音まで辿り着いたのか興味深い限りである。
愚鈍もそうなのだが、得体の知れない場所から突如発生してきたハードコアというのは、ある種独特の凄みみたいなものを持っていて、それこそが、ハードコア本来の魅力に思えてならないのである。
ワイルドでクレイジー! みんなラキムのスキルがどうとかそんなことばっか言ってるけど、このアルバムでの危ない音作りをちゃんと聴いていたらそんな発言はできない筈!
それほどまでに異様で気味の悪いトラックがここには満載なのである。ジャケットもダサいを通り越して得体の知れない『怖さ』を表現してしまっているし、そんな奇怪な装飾の中で、ラキムのラップが冴えまくるというもはや狂気の域に達している名盤。
この時代、ヒップホップを勘違いする若者が多数出現したのは、Eric B. & Rakimやパブリック・エネミーの音作りが原因だったのかもしれない。
81年ぐらいのミルウォーキーのバンド。
とはいえ、音楽性は60sガレージ風味で音もショボイ。でも曲自体はポップでかっこいいので、パワー・ポップコーナーにひっそりと置かれている亡霊みたいな一枚。
ジャケットとかも写真が糊で貼ってあって、なんか手作り感溢れる感じです。しかもCD-Rだし。
こういった田舎のパンクバンドは面白い音を出すので、今後も色々と発掘していきたいのですが、情報も極端に少ないので入り口が分からず。
このアルバムは後半の流れが結構好きで、ヘンなライブっぽい曲もかっこいいと思います。ミルウォーキーの青春の一ページ、田舎の若者たちの、やり場の無い悶々とした感じが伝わってくるリアルな盤です。
僕は朝っぱらから会社で何をやっているのだろう?
こんな古いレコードのジャケットスキャンして、しかも休日だというのに。
ダンスそうじき♪ などと鼻歌を歌ったところで未来は絶望だ。
でなければ某ゲイ雑誌用の原稿をこんな朝っぱらから書くようなマネは常人にゃあ無理だべ。
まぁ、締め切り忘れた僕が悪いのですが…。
まさか連休中に締め切りなんて、不意打ちもいいところですね。
さて、この喝!タルイバンド、いまだに活動しているというのだから恐れ入る。
僕も少しは彼らを見習い、物事を継続したり、最後までやり抜くような、
そんな立派な姿勢を保てるようになりたいものである。
悪い指。パワー・ポップっていうのはこれが元祖なわけですが、ビートルズの弟分というだけで片付けられているのが現状。
彼らの中ではこのアルバムが一番完成度高く、特に5、6曲目の流れは完璧にポップ。いろんな人がカバーして有名なわりに、原曲を知っているという人は稀。
なぜここまで評価が低いのかといえば、それは値段が高すぎるから。
アップルレコードは中古でも2000円以上するので、この人たちも高いまま。最近出た紙ジャケの国内盤も2800円ぐらいする。
もっと手軽な価格にすれば、彼らの評価も変わると思うのだが、東芝EMIは今後も価格を下げることはしないんでしょうね。可哀想なバンドです。