世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
« パブリックエネミー | メイン | BUZZCOCKS »
魔術の形式に、概念と道徳の区分けは必要ない。
グルーヴの斬新さ、リズムの心地よさ、メッセージの強度。すべてが渾然一体となり完成するのが上質なヒップホップである。トライブの身軽さは、ヒップホップのステージを高めたのではなく、好きなところに設置できることを証明した歴史的な意味を持っている。だからといって、「Qティップがすげぇ」とかどうでもいい感想は無効だ。彼らにとっての呪術は生活的な習慣と同じ位置で息づいている。
ひたすらシャープに切り込む姿勢は、ときに恐怖を作り出すが、彼らの足跡はいつだって美しくまとまっている。それがずば抜けた才能だなんて言うような奴は、一度死ななければヒップホップどころか生きている感覚さえ解らないだろう。だからこそ、入門的な一枚としては沈み込むセカンドではなく、こっちのアルバムなのである。
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.asiandrug.jp/mt-tb.cgi/342