2005年03月のアーカイブ

Talulah Gosh

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 青春パンクという単語を聞くと、なぜかこれを思い出す。
 汗臭い体育会系の青春ではなく、文科系の…。
 そんなこと書いても仕方ないよね。とにかく青春パンクなんだから。
 最近の音楽批評が「これは良い」「あれが悪い」だけで成り立っていることのやるせなさを、
 こういう音楽を聴いて嘆いてみたり、遠い目をしてみたり。
 だけどパステルズバッヂは捨てられず、こういう時代の空気感にいつまで溺れていては何も始まらない。なんて、反省したフリをするのも、娯楽の一部なんだろうか?

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LIP CREAM

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 ずらっと並んだ屈強な男達が、手にした金属バットで次々と殴りかかってくる。
 逃げても逃げても、やつらは追ってくる。
 リップクリームの演奏は緊迫した暴力性で武装していた。日本のハードコアではもはや見本とされる彼らであるが、今ひとたびこのアルバムを聴いてほしい。
 まず、曲間のコント(真剣なドラマなのかもしれないが)が異様だし、サウンドも更に磨きがかかったハードコアで、異常な緊張感を他のアルバムよりもより深く感じ取ることができるだろう。なぜ、こんなアルバムになったのか?
 リップクリームには、意外と理解不能の側面があるように思う。

投稿者 asidru : 21:26 | コメント (0) | トラックバック

Nightmare

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 ナイトメア、いきなり再発ですね。びっくりした。
 ナイトメアの音は思いっきりジャップなハードコアで、信じられないくらいの名作です。たしか大阪のバンドだったっけ。セルフィッシュのオリジナル盤はプレミアついてるから皆手を出さなかったと思うけど、こうしてCDでちゃんと出してくれると本当にありがたい。
 いやあ、こういう再発は本当に嬉しいので、ハードコア・レーベルの人たちはどんどん名盤を発掘してCD化すべきである。でも、まさかナイトメアが二枚も出るとは思わなかったよ。快挙ですね。
 これは買っても絶対に損しないので、ハードコアマニアでなくとも買うべきCDです。特に普段は青春パンクみたいなだっせぇの聴いてる小僧たちに接してもらいたい。日本のハードコアはここまでカッコイイんだという事実を、ハードコア少年たちは噛み締めて大人になってほしいです。そして、かつてハードコア少年だった我々も、こういう再発モノを聴いて感涙にむせび泣けばよいのである。
 

投稿者 asidru : 13:18 | コメント (0) | トラックバック

変身キリン

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 ゼロといえばこれですね。
 再発・再結成(?)までしてるので、現在は接しやすい音源ですが、
 一時期はやたら高くて、僕は近所の古本屋でなぜか500円で売られていたのをたまたま入手したラッキーボーイでした。おそらく持っていた人は死んだか再起不能の病に冒され、遺族に売り飛ばされたというのが真相だと思いますが。
 変身キリンといえば「日本のヴェルベッツ」とまで言う人が居たくらいドリーミーな楽曲が多いわけですが、この一枚目はものすごくカッコイイポップサイケ風パンクです。
 本田久作は阿木譲のロックマガジンに「宮沢賢治、稲垣足穂、ジェームス・ジョイス、世阿弥のようなRock Band」としてメンバー募集していたらしいですが、まさにそんな感じのバンドになっているので、そういう世界が好きな人はぜひ聴いてください。

投稿者 asidru : 15:35 | コメント (0) | トラックバック

The Groovy Little Numbers

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 ポップセンス、シックスセンス、エログロナンセンスからイノセンスへ。
 あと30分でぼくたちの夏休みが終わる。
 そんなときにはポケットからグルナンを取り出そう。
 グルナンでサイケでポップな「あの音」を思い出して、
 木の上には眠り続けた何人かの青春が錆びている。
 だからもう、感傷的になるのはおしまい。
 誰かさんと誰かさんの、しょうゆの染みがついた恋物語も、
 もうおしまい。

投稿者 asidru : 11:27 | コメント (0) | トラックバック

kudo tori-kinutapan-yumbo/igloo3~地続きの島を恐れるな

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 工藤冬里、真剣に好きなんですよ。大ファンです。
 あのよれよれした調子っ外れな歌や、楽曲の構成を無視したギターとか、やたらにキレイなピアノも全て素晴らしい。
 で、これはそんな冬里氏とkinutapan、yumboといったバンドが共演する好盤。聴いてないというなら、まだ普通に売ってるので今のうちに買っておいた方がいい。
 一曲目からして凄まじい異世界が口をあけているが、冬里ファンなら「その後のLuo na」で絶対泣きますね、絶対。冬里さんのうたには誰も追いつけません。
 以前、友人が井の頭線内で工藤夫妻を目撃し、そのときの冬里氏のスニーカーにはマジックで「レッドクレイオラ」と書かれていたそうな。なんとも心温まるエピソードである。
 工藤冬里音源はブートばっかなので、そろそろどこかのレーベルが責任持って正式にリリースした方がいい。ちなみに某氏が出したCD-Rセット「TAPES」は僕のプレイヤー、及びPCでは読み込めないというとんでもない不良品で最悪(しかもなぜかディスク3だけ聴けない)だから買わなくても平気。ブートで買うならクラゲイルのスイートインスピレーションズが一番無難です。

投稿者 asidru : 16:50 | コメント (0) | トラックバック

captain beefheart 「trout mask replica」

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 変な、とか、奇妙な、というだけでこのアルバムを片付けてしまうなら、音楽に未来など無い。
 フリージャズであっても、ブルースであっても、ビーフハートの発する音はどこまでも純粋な発明であり、理解する為のテキストは一切必要ないのである。
 あまりにも偉大過ぎるアルバムであるので、はじめてロックを聴くとか、洋楽ってどんなものなんだろう? などと疑問に思っているような初心者には危険極まりない、死に直結する盤なので不用意に手を出さない方が身の為だ。まぁ、一生聴かなくても人生は送れる。そんな覚悟があるなら、逆にたまたま買ってプレイヤーに乗せてしまっても問題はないでしょう。これはそういうアルバム。
 意外と過小評価気味だけど、私はこれに随分とお世話になったので、こうして大推薦しておきます。彼らがいなかったら、今の音楽シーンなど無かったのだから。傑作です。

投稿者 asidru : 17:49 | コメント (0) | トラックバック

cheshizu 「約束はできない」

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 シェシズの一枚目。永遠の名作。
 アルケミーの再発CDだとボーナスで工藤冬里の歌う「星」が収録されていてお得。
 向井さんのライヴはいつ見ても無駄がなくて素敵です。シェシズや打鈍も好きだけど、胡弓一本でインプロしてる向井さんが一番鬼気迫る感じで、演奏することの本質的な心構えみたいなものをダイレクトに伝えるような音が胡弓から発せられ、意識の深層をかき乱したり押さえ込んだりするような力が作用しているように思えます。
 以前ワークショップに参加したとき、向井さんは婦人用自転車に胡弓を固定してやってきて、「近所なんです」と一言。その不思議な登場からしてインパクト大でしたが、そのあとも設置されていたピアノの弦を直弾きしたり、演奏表現も研ぎ澄まされていました。
 胡弓を始めたきっかけは? というだれかの問いに、小杉武久からの影響を語っていましたが、妙に納得してしまったのは僕だけではなかった筈。
 筋金入りの表現者の一人として、リスペクトします。

投稿者 asidru : 22:33 | コメント (0) | トラックバック

REBEL STREET

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 今聴くと結構中途半端な感じしますねコレ。
 花粉症で苦しいからこういうのは聴きたくない季節です。
 オリジナルと再発だと色違ったりしてますんで、
 間違えて高価なオリジナル盤を買わないように。
 それにしても花粉です。
 今年初めてこんな苦しい思いをしました。煉獄です。
 本盤の連続射殺魔と町蔵がやってる「ボリス・ヴィアンの憤り」はここでしか聴けない名曲なので、
 どちらかのファンならこの曲のために買っても満足できるでしょう。
 そんな感じ。

投稿者 asidru : 22:19 | コメント (0) | トラックバック

非常階段 「蔵六の奇病」

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 ゲロ吐きドキュメントの音源が非常にドラマティックな初期非常階段の傑作LP。インプロの持つアナーキズムをここまで拡大できたのは、無邪気な勢いがあったからなのだろうか?
 ジャケットの日野マンガもいいが、中身のパワーノイズ(まだこの時期はエレクトロニクス多用ではない)が強烈。当時のライヴ映像を収めたビデオも出てるんで、ぜひ併せてご鑑賞ください。
 日本のノイズが今日のように発展したのは、この非常階段の存在があったからに他ならない。ファウストやホークウィンドやスラップハッピーや森田童子を消化してきたジョジョ広重社長の闇が表出するのはしかし、後のソロアルバムでの出来事である。

投稿者 asidru : 15:41 | コメント (0) | トラックバック

RCサクセション 「シングルマン」

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 中学、高校の頃、RCとかそういうロックはダサいみたいな風潮があって、結局非常階段とかそういうのばっかり聴いてた。だからこのアルバムもちゃんと聴いたのは五年くらい前の話です。
 偏見はいけないですね。これ、素晴らしく完成度高くて、名曲ばかり詰まってるからフォーク調のRCが苦手な人でも思わず口ずさんでしまうようなポップ感に満ち溢れてます。
 キヨシローはバラードを歌った方が、本来の歌唱の良さがよく分かっていいですね。となんか普通のレビューみたいでカッコ悪くなってしまいましたが、それだけいいアルバムなんですよ。よろしく。

投稿者 asidru : 20:19 | コメント (0) | トラックバック

ティアドロップス

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 本物の不良、山口富士夫の在籍したティアドロップス一枚目。
 次の「らくガキ」もいいけど、やっぱこれですね。「ピッカピカダイヤモンド」とかロックの王道ですから。とにかくカッコよくシンプルなロックンロールなので、好きな人は毎日聴けます。
 それにしても富士夫ちゃんは何回捕まったんだろうか? 彼の前科リストみたいなのをディスコグラフィーと並べてみたりすると面白いかもしれないですね。
 村八分やラリーズの頃より、ソロやここでの富士夫の方が身近で親しみやすいロックンローラーである。併せて「ひまつぶし」もオススメ。
 

投稿者 asidru : 17:20 | コメント (0) | トラックバック

オフコース 「I LOVE YOU」

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 日本の歌謡曲・ポップシーンにおいてのサイケデリック・モンスター。
 とにかくエコーとシンプルメロディの調和が異次元の物質。
 体験としては効果的なインスピレーションを生まないのかもしれないが、これも一つのアシッド。
 オフコースはポップス・ニューミュージックとしての正しさを見誤ったりしない。絶対的な正当性をシンボルとして前進していく。そこから少しづつ零れだしたサイケデリックが、ひ弱な存在だなんて誰にも言わせない。
 YES-YES-YES。
 真実を虚像として求めるような厚かましいマネはやめた方がいい。

投稿者 asidru : 16:56 | コメント (0) | トラックバック

Fresh blueberry pancake

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 ジャケは最悪だが、へヴィ好きにはたまらない作品。
 とにかく好きな人は好きという玄人向けハードロック。
 フレッシュブルーベリーパンケーキというような音では無いし、ジャケのようなイメージでもない。
 オリジナル盤はテストプレスのみなので、5000ドル以上するとか。
 今では簡単にCDで入手できるので、興味があるという渋い人にはおすすめです。
 へヴィサイケ・ファン必携の一枚。

投稿者 asidru : 23:15 | コメント (0) | トラックバック

平沢進 SIREN

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 平沢さんの東洋テイスト爆発盤。
 一番これを聴いた。
 もちろん個人的に、ね。
 個人的って言葉よくないね。
 やめます。
 だから「わたしはこのアルバムを最も高い頻度で聴きました」。
 最高。

投稿者 asidru : 22:38 | コメント (0) | トラックバック

ダイナソーJr

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 孤独なひと。悪いひと。親切なひと。
 三人いたら全員死にますね。
 そして残るのは恐竜なわけです。
 踏み潰された好奇心は前にしか進めません。
 重要なのは、時折振り返ること。
 つまり反省ってわけですね。
 隣家の池の水は思ったより苦いから、
 卑屈になればなるほど災いが祓えなくなる。
 電気ギターを無邪気に鳴らすだけじゃもったいないということを、
 彼らは身をもって教えてくれたわけです。
 感謝。

投稿者 asidru : 19:28 | コメント (0) | トラックバック

クイックシルバー・メッセンジャー・サービス

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 身体がだるい。雨のせいだと思うが、クイックシルバーなんて聴く気になれない日である。
 天使の偽者が何人か訪ねてくるので、すかさず天球の位置に目星をつける。
 さかさまに吊るされた即物的な死と、現実感の無いセールスマンの鞄に入っている口臭防止スプレーの関係が次第に浮き上がってくる。
 橋を渡るときは、なぜだかいつもドキドキする。
 死霊のためのラジオ体操も、今日で終わる。

投稿者 asidru : 19:44 | コメント (0) | トラックバック

テニスコーツ 「ぼくたちみんなだね」

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 これをアンダーグラウンド扱いするなら、そんな店はさっさと潰れてしまえばいい。
 限りなくポップで透明。4曲目の「マイカー炎上」というタイトルだけで気に入り、すぐに買ってしまった本作であったが、聴けば聴くほどに良くなっていき、いまではもはや去年のベストアルバムの位置にある。
 マジキックって良質なもの出しますね。マヘルもそうだけど、素直なメロディというのは素直に聴けるからいいです。
 忘れていた記憶や、密かに胸に秘めていた懐かしいできごとが甘く、そして切なく込み上げてくる壮絶な大名盤。一過性のポップではなく、後からじわじわ来るタイプのうたです。

投稿者 asidru : 20:14 | コメント (0) | トラックバック

FREEBORNE

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 ぱっとしないサイケです。ただ、内容はすごくいいんですけどね。聴かないともったいない。
 ばらばらに点在するきっかけと、悲しみが行き場無く交差している。
 おお、なんとやましい良心であろうか。
 類似に敵意を抱くのか、存在の暴力性に怯えるのかは知らない。ただ、匿名の希望として思考されるシステムであるならば、放置しておくに越したことはないのである。
 屍の上に家を建てるのか?

投稿者 asidru : 20:06 | コメント (0) | トラックバック

ウィラード

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 最初はポップだったから軽視してたんだけど、やっぱりメロディ・メーカーとして秀逸だよね、ウィラード。90年代の歌謡ロックってここに原点があるのかもしれない。
 一時期やたらプレミアがついてて、ここぞとばかりに僕は売却してしまったのであるが、今になってまた聴きたくなったりもするなつかし盤。
 ウィラードはメロディがしっかりしていて、ヴォーカルも複式呼吸マスターって感じの張り上げるタイプだから、万人に受ける歌謡パンクバンドにならなかったのが不思議なくらいですね。すごくポップ。
 ハードコアとか好きな人にとっては軟派かもしれないが、ウィラードの曲はパンクとしてもそれなりに破壊力のあるものだったということを本作を聴きなおして実感してみてほしい。

投稿者 asidru : 21:06 | コメント (0) | トラックバック

Red Crayora  「The Parable Of The Arable Land」

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 サイケデリックは妥協してはならない。
 正しい陶酔は秩序だってはならないし、諦念を少しでも感じてしまったらもうアウト。まがい物のレッテルを貼られて無様に漂うだけである。
 レッド・クレイオラのこの音楽は、サイケデリックであることを一身に背負い込んだ本物の演奏であり、わずかな隙間から見える真実さえも極彩色に歪めてしまう、マジカルな儀式だと言える。
 なぜ民俗学者はこのような音を問題にしないのか?
 儀式的なもの、宗教の起源として横たわっている人間の根底にある感覚を無造作につかみ、引っ張り出そうとするのがメイヨ・トンプソンの技法である。だからここにある演奏に飲み込まれてはならない。心地よい陶酔が悪夢へと一変してしまわないように、われわれは細心の注意をはらってコレに接しなければならないのである。
 恐怖と驚きと、始まりを形作るための第一歩。

投稿者 asidru : 23:02 | コメント (0) | トラックバック

The Hollies 「Evolution」

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 昨年くらいから突如再評価され始めたホリーズ。何でいまさらなのか知らないが、多分CMか何かで流れたんでしょう。
 これは彼らの一番サイケな6枚目。ジャケットからしてポップサイケな香りが漂ってますね。
 さて、2分30秒の中でどれだけポップでドラマティックな曲を構成できるだろう?
 限られた時間軸の中で魔的なからくりを封じ込めていく手法は、このホリーズの専売特許である。限りなくポップでキャッチー。そんな2分30秒平均の曲を連発するバンドだったホリーズが、いままで全然と言っていいほど評価されていなかったのが不思議である。
 紙ジャケで日本盤も出ているので、すぐ聴けるようになった感動の名盤。ただモノラルとステレオの同じ曲を一枚のCDで通して聴くのは辛いかもしれないけどね。

投稿者 asidru : 23:11 | コメント (0) | トラックバック

ダウンタウン81

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 こういう雰囲気の映画っていいですね。というかニューヨークのこの時代は本当にうらやましい世界なので、この映画を見てほのぼのと過ごす休日は最高だ。
 見所はいっぱいあるけど、やっぱりDNAが凄い演奏シーン。アートリンゼイのギター弾いてる姿はもの凄くカッコイイ。DNAファン以外の人でもプラスチックスのイカレタ感覚を見て満足できる筈なので、未見ならレンタル屋に走っても損はしない。
 バスキアの存在感がアートリンゼイに負けてる感じはあるが、記録映画としては満点でしょう。

投稿者 asidru : 23:28 | コメント (0) | トラックバック

summer sounds  up←→down

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 青春は必ずしも弾けるような若さだけで構成されているのではないという事実を押し付けてくる迷惑な音楽がこのマニア盤。 さわやかなのか薄暗いのかも分からない演奏は、わりとスタンダードで聴きやすいが、ヘンな重みがあるので何回もリピートはしたくない。
 灰色に薄汚れたどうでもいい夏の思い出が、イヤと言うほど体験できる名作。
 最近は再発CDも見かけないけど、誰もそんなことは気にしてないですね。ただオリジナル盤をいきなり大金出して買うのだけは止めたほうがいいと思います。

投稿者 asidru : 22:13 | コメント (0) | トラックバック

p-model 1st

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 平沢進のセンスは素晴らしい。この1枚目はまだニューウェイヴ・テクノポップなのだが、パースペクティブやアナザーゲーム辺りのダークなポスト・ロックから次第に深化していき、「ワンパターン」ぐらいでポップ路線に戻ったと思わせつつ、デジタル機材もガンガン導入し、さらに深いサウンド構築を現在まで行っている。
 一枚挙げるとしたら「パースペクティブ」だけど、この一枚目のむき出しテクノポップ感覚には相当やられたので、今回は本作の紹介で。
 「美術館で会った人だろ」からいきなりピコピコピロピロ鳴ってるシンセが素晴らしいが、バンド演奏がかっちりしているところがまたたまらない。さすがマンドレイクが前身なだけあるな、と感心。
 個人的に好きなのは「偉大なる頭脳」。エクスペリメンタルに行きそうになるのを必死で押さえているメンバーの理性が見え隠れする初期の大名曲である。まぁ、人気は低いけど。
 セカンドの「ランドセル」とはまたちょっと違った感覚があって、p-model入門にはうってつけの一枚。これで興味を持ったら「ポプリ」「パースペクティブ」「アナザー・ゲーム」の三枚を買ってヘッドフォンで聴くことをオススメする。特に「パースペクティブ」は一家に一枚の大傑作なので、死ぬまでにぜひ聞くべきニューウェーブの名盤である。
 平沢ソロについてはまた別のところで書きたいと思うので、今日はここまで。

投稿者 asidru : 21:28 | コメント (0) | トラックバック

ERIC DOLPHY AT THE FIVE SPOT 2

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 ドルフィはソロでも素晴らしいのですが、集団演奏となるとこのレコードが一番好きです。しかもこの二集目のテンションが尋常じゃないので、ドルフィの音源に触れたことの無い人にもオススメです。
 60年代のサックス奏者の中で、ドルフィほど評価されていないアーティストもいないだろう。ここまで純粋に、神々しいまでの演奏に対する姿勢は誰にも否定できない。
 立ち上がりの、摩擦音のような一撃から、ドルフィの幻想は蔓延し、墓石の眩しさに思わず顔を背けてしまう。ドルフィは全作、全曲いい。だからとにかく聴き、体験することが重要になってくると思う。

投稿者 asidru : 22:28 | コメント (0) | トラックバック

ザ・フゥー 「リーガル・マター」

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 まずフゥーという発音でノックアウトなシングル。キッヅの表記も笑えるが、中身の歌声はもっと間抜けな感じで(酔っ払いのカラオケレベル)、とにかくカッコイイガレージ・パンク。大好きな曲です。
 ガレージが呪術として確立しないのは、ここにあるポップ感覚があまりにも腰抜けにラリホーなのでお分かりいただけると思うが、フーはやっぱり底なしに暴力的で参ってしまう。無意味に乱暴な若者の音楽。まさにロックですね。最高です。

投稿者 asidru : 21:23 | コメント (0) | トラックバック
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