世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
カテゴリー:ソフトロック
有名なレコードほど書く気力を失うものもない。
たとえこんな個人のブログであろうと、読み手を意識してしまうとどうにも気取ってしまい、まともな文章やカッコイイことを書かなくては!! などと意気込んでしまうため、結局くだらない感想文に終わってしまう。
このレコードだって、もう売ってないだろうし、ソフトロックブームの時にはちやほやされたけど、今は中古ですら見かけなくなった。
ブーム当時、かつての名盤ということで、このレコードは大絶賛された。
あの時「アソシエイションすげーって」とか言ってオシャレぶっていたフリッパーズもどきみたいな奴らは、今何を聴いているんだろう? ちなみに私は今でもこれを余裕で聴く。聴いてもすぐ忘れるという能力のおかげで、何万回もこれを楽しめるし、聴くたびに「アソシエイションいいな~」などとにこにこ笑顔だ。
結局、こういうポップで素晴らしいレコードは一度名盤とされてしまうと誰も聴かなくなるのかもしれない。
今の10代でロック好きな若者は果たしてこれを聴くだろうか?
そして、聴いたとして心の底から名盤だと思い、自分でソフトロックを演奏するのだろうか?
私の知っている限り、現在の若者バンドでアソシエイションの影響を受けているものはほとんど無い。プライマル・スクリームやニルヴァーナが好きな若者はいても、アソシエイションやフリーデザインでロックを始める者は極マレなのである。
だからこそ、そういう方向から新しいものが発生してほしいな、とは思うのだが、どうだろう?
JERRY KELLERという、サークルの「TURN DOWN DAY」を書いた人がプロデュースしているので、たしかにサークルっぽい音作り。上質のソフトロックですが、謎につつまれた一枚です。
クオリティの高いポップ・サイケを探しているならオススメだが、まったくどんな活動をしていたのか、どのようなグループだったのかを伺い知る資料が何も残っていないので、バックグラウンドが気になる人にはオススメできません。夜気になって眠れなくなります。
アルバムとして完成度の高いものなので、ハズレを引きたくないときはこれを買ってみてください。
心地良いソフト・ロック・サウンドです。
遠まわしな青春だって、わりと爽やかに過ぎ去っていくものだ。
ネオン街のあの酒臭く、ドブ臭く、人間の体臭と料理店の裏のアブラ臭さが混ざったあのニオイだって青春なのかもしれないし、ミステリーサークルはちっともミステリーではない。
結局認識の度合いによって決まってしまうのが青春だ。
郷愁やかつての恋愛感情だけに青春を背負わせることは過酷である。コップの中にも火葬場にも青春はあるのだ。
だからここにある音が青臭いものであったとして、我々にそれを否定する権利も青春的判断力も無いのである。
赤いゴムまりが転がっていく先があのようなポルノ映画だったとしても、僕たちの青春は循環し続けることができる。
まだゾンビーズで引っ張ります。
これはゾンビーズのコリン・ブランストーンのソロで、驚くほど繊細な情景が描かれている名盤です。
しかし、これまた評価がイマイチで、なんだか不遇な感じがします。
内容はゾンビーズ時代には使っていなかったストリングスサウンドを全面に使用した美しすぎる楽曲が並んでおり、この人の才能の豊かさに驚かされます。わりとぼんやりした輪郭の歌声なのですが、それが魅力でもありますね。
ゾンビーズ時代のサウンドを期待するとまったく違うので違和感を感じるかもしれませんが、これはこれで奇跡的な名作なので、ゾンビーズとは別物として聴いてみてください。
思えば十代の頃、某ソフトロック取り扱いレコード店ですでに異常なプレミアがついており、めちゃくちゃ聴いてみたいのに聴けなかったこの盤がいつの間にかCD再発されていた!!
というわけで早速購入してみる。
そして湧き起こる期待の中、再生スウィッチを押して聴こえてきたのは極上のポップ・チューン。これは素晴らしい。まさにソフトロックの大名盤である。
裏ジャケで水色の衣装に身を包んだ彼らが妙にポップ(というより奇妙なポップ)だし、音はレベルの高いソフトロックなので1500円くらいで輸入盤を買っても全然損しません。
グリーン・タンバリン(レモン・バイパーズの名曲)とかも演ってるし、いままで国内盤が出ていないのが不思議です。
ソフトロックの人気が下降しているらしい。どうやらあの熱病のように流行した「ソフトロックブーム」は既に冷めており、本盤のような優秀なアルバムも最近ではあまり見かけなくなった。
渋谷系、あるいはフリッパーズ・ギターの影響などで、大きく取り扱われていたこれらのソフトロックの名盤は、今再び聴かれることを待ち望んでいるに違いない。
という勝手な思い込みで、今回はこのアルバムを推薦したい。
一曲目からいきなりどキャッチー。続いてぐんぐん引き込まれる甘いソフトロックの世界が待っている。
こういったアルバムの再評価が一時的なもので終わらないためにも、我々はソフトロックなんていうジャンルをあえて認識しない姿勢で臨みたい。下手なジャンル分けが音楽の命を削り取ることになるのは、もう分かっている筈だ。これ以上無駄な音楽の死を作り出さないためにも、白紙の状態で過去の音楽に接していきたいものである。
樋口康雄ことピコ、19歳の素晴らし過ぎる1stデビューアルバム。日本最高のソフトロックであり、今もなお根強い人気を誇っている名曲「I Love You」も収録されている大傑作。一時期クラブで流れまくったので聴けば「ああ」と思う人も多い筈。
こんな傑作が72年の日本で生まれていたということにも驚くが、ここにある楽曲はほぼ一日で作ったというのだから更に恐れ入る。ピコの才能は当時の日本ではズバ抜けているとしか言えない。
「I Love You」は部屋で一人で聴くのもいいが、クラブの暗がりでときたま照明を浴びながら踊る子たちを見ながら聴いたり、自ら踊ったりするのが一番いい。最高にキュートでポップ。恥ずかしいぐらいにいい曲が詰まっているジャパニーズ・ソフトロックの最高峰である。
長らく廃盤になっていたが、クラブでの人気も手伝って何年か前にCD再発。そして今度はアナログでも再発されたそうである。やはり良い音楽はこうして語り継がれていくべきなんじゃないかなぁ。
金目当てのリバイバルや商品としての再発にはウンザリだけど、聴きたい人が聴きたいモノを手にすることができるという意味での再発なら大歓迎だ。ピコのこのアルバムも、CD化すると聞いたときは腰を抜かすほど嬉しかったし、もちろんすぐに買ったわけなのだが、いまだに一切遜色無く聴くことができるので重宝している。
一曲目「あのとき」を聴いた時点で、ほぼ全てのソフトロックファンはノックアウトだろうし、僕もまた再生して10秒で魂をもっていかれた。ピコの美しい音楽はこれからも語り継がれていくし、多くのリスナーを魅了していくのだろう。
日曜日…。みなさん、今日はピコの曲を聴きながら、何か楽しいことを思い描いてみてはどうでしょう。美しい風景、思い出、恋愛、未来など、ピコの音楽は全てをやさしく切り取ってみせてくれる。
バーバンク・サウンド。バーバンクというのはちなみに地名です。
いま再びこの名盤を聴くと、スタジオ作業における魔法の仕組み方というものの基本が全てここに凝縮されていることに驚く。まさにキャッチー&ドリーミー。夢の世界の入り口である。
しかしながら、冷静にその夢の世界を凝視してみると、実は極端に捻じ曲げられた狂気の道化であったことに気づかされる。
ポップ性の裏側に潜む狂気の重さというものが、このアルバムの意味を強く持ち上げて支え続けているのではないだろうか。
心地よい夢が、悪夢へと切り替わる瞬間のカタルシスが、ハーパース・ビザールのサウンドが我々に仕掛けた魔法なのであって、その魔法はこうして現在も作用しているのだからやはり偉大なグループであったと思う。
かいつぁーふぁん。連続する流行。拒絶するセンス。
そして少しだけ見えたモードの先に間違えられるイメージの交錯。
もっと素直になれば楽なのにね。ひとまず、部分がイメージとしての全体を思わせ、存在全てを代行しているような状態からは脱却したいですね。そのものの一部しかしらないのに、全てを理解したような顔をするのはよくないよ。ほんと。そういうのを知ったかぶりって言うんですね。
フリー・デザイン。すごくいいんじゃないかな。こういう素直にオシャレなレコードってどうなんでしょう。
もうソフト・ロックとかって流行らないから、置いてる店とかも少ないよね。渋谷系全盛の頃はどこもかしこもソフト・ロックだったのに。ただユ○オンに持っていくと結構高値で引き取ってくれるのは嬉しい。これは売りたくないけどね。