世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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五番目の「NO NEW YORK」として伝説となっているTheoretical Girls。
突然こんな編集盤が出ていたので思わず手を伸ばしてしまったのだが、グレン・ブランカのバンド時代の録音が聴けるという意味でも非常に貴重なアルバムだと思う。
やみくもに音を出すのではなく、ある種の信条、思惑などがしっかりと環境として根付いているからこそできる壮絶な演奏がバッチリ収められている。
曲はノイズそのものな実験精神に溢れたものから、直球のパンク、現代音楽のイディオムを利用したものなど様々であり、どれも確かな手ごたえを感じさせる良質な音源集だ。
まぁ、NO NEW YORKのバンドが好きなヒトには一瞬ツメの甘いバンドだと思われてしまうかもしれないのだが、よく聴けばここにある冷徹なまでの実験精神が異常なものだというのが理解できるだろう。一聴しただけでは「よくあるニューウェーヴ」でしかないが、この楽曲と演奏者の間にある不思議な距離感覚が絶妙なのである。
純粋にNO NEW YORKのバンドやソニック・ユースが好き、というだけならば、このバンドには触れなくても大丈夫。ただ、得体の知れないこのバンドのエクスペリメンタルな姿勢を垣間見たいならば、何が何でも聴くべき一枚である。
私個人としては大名盤だと思う。
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