世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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いま過去のエントリーをずっと眺めていて、FRICTIONについて書いていないことに気づいた。忘れていたのではなく、もう既に書いたつもりになっていたのが原因である。
さて、このフリクションのライヴ盤は「軋轢」発売前に録音されたもので、正式にリリースされている音源の中では一番本来のフリクションらしい音が聴ける良質なアルバムである。最近になって突如CDで発表されたわけなのだが、聴きなおしてみるとけっこう荒削りな感じで「軋轢」より全然かっこいい。
以前恒松さんに聞いた話によると、レック氏があの再発では全て指揮していたらしく、もともと音質の悪かった音源をなんとかあそこまでの状態にまでしたらしい。
まさに完璧な一枚であるが、セットでついてきたDVDの方は…、まぁ資料的には貴重なんだけど。
やはりナマで当時のフリクションを見てみたかったなぁ、というのはあるが、現在CDという記録媒体のおかげで、こうして当時の演奏を好きなときに聴けるのだから、文明の進歩には感謝したいと思う。
※以下はフリクションを未聴だという方のために書くので、既に知っている、またはもう疲れたという人は読まなくても大丈夫です。
軋轢が始まると、周囲の景色が変貌してしまう。
それまでの日常が、常識が、自分のPositionが、明らかに狂っていく。
人間の軋轢、精神の軋轢、現象の軋轢。
どんな軋轢にしろ、結末はいつもアレだ。
激しく衝突したまま、ゆっくりと落下していくイメージ。
金属的なものから、天災のような惨事までが同時多発的に侵入してくる。
パンクでもロックでも何でもよかった。方法論に縛られてしまうことは不幸だからだ。
ただ一度のミスもせずに軋轢を知ることができる者は、今後絶対に軋轢を知ることはできないだろう。
だから、誤りが正解に近づくのだ。
もう、暗い部屋で一人血を流しているだけじゃ、時代は変わらなくなってしまったのである。
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これはもう飛びついて手に入れました。
アナログはお茶の水ユニオンでリアル・タイムで見かけた(当然定価)んですが、情報もなく「こんなの出てんだ」と思った位でその時は買わず。
理由は両手に荷物を持っていたから(笑)。
それ以来、このレコードと自分との距離が縮まることはなく「そんなもの出てなかったことにしよう」と心に決てめました。
CD化は大事件でした。
投稿者 吉澤 : 2006年01月26日 04:01
CD化されるまでは●万円とか凄い値段になってましたからね。
このCDはみんな発売してすぐに飛びついたはずです。私もですけど。
それまでは半分ブートみたいなだれかがダビングしてくれたテープで聞いていたんですが、やはりCD盤は音が格段に良かったです。
一家に一枚といった感じですね。日本のロック名盤を10枚選べと言われたら絶対にこれは外せません(笑)。
投稿者 森本 : 2006年01月26日 17:12