世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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おそらくミルフォードは「ミルフォード・グレイブスとゆかいな仲間たち」なアルバムにしたかったのだろう。しかしながら、当時の日本のフリー・ジャズ界にそんなコンセプトに合わせてくれる素直な人間などいなかったわけであり、結果として殺し合いのような様相を呈してしまったというのがこのアルバム。
とりわけ安部薫は当時の来日の際、ミルフォードのドラムセットの前に立ちはだかってアルトを吹きまくり、演奏を止めなかったそうで、「次からはあいつを外してくれ!」とミルフォードげんなり。安部は「おれの勝ちだ!」などと意味不明な勝利を確信していたらしく、他のメンバーもわりと好き勝手にやっていたというのは有名な話。
そんなミルフォードと日本の変人による奇跡のセッションなのであるが、やっぱり安部のアルトが吹き荒れており、それを全力で潰そうとするミルフォードのプレイが他のアルバムより生々しい。
フリージャズ史の中でも重要な一枚ですね。
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