世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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ストーン・ローゼスがあの時代のアイコンだったなどと誤認してしまうと、大切なサウンドを下水に流し込むのと同様の喪失に襲われる。
実存が悲劇的性質を孕んでいるならば、位置を曖昧なままに本質部分だけを摘出してみればよいのである。ただ、イメージとしてのストーン・ローゼスが必ずしも本質的な部分と相似しているとは限らず、そこの行き違いがまた新たにストーン・ローゼスという伝説めいた空想を生み出してしまうならば、それほど皮肉なものはないだろう。
表向きの「ストーン・ローゼスという情報」が広く伝播されるにつれ、そこに付随する形で生成されたイメージが含む意味は初めから隠蔽されたまま表出してきてしまう。覆面をつけたストーン・ローゼスのイメージは、正体不明のまま文化的な記号として定着してしまったのである。
だから、ストーン・ローゼスについて語ることは困難なのである。根拠の無い説明を延々と繰り返すほか、彼らを歴史的背景で語る術は残されていない。
しかし、今年のサマー・ソニックでのイアン・ブラウンを見た人達に聞くと、刹那的に捉えうる性質の音楽には成りえないという宿命がなんとなく理解できたように思える。
ストーン・ローゼスは言わばダイアルアップ回線でインターネットをしている状況のまま、突然の停電で接続が切断されてしまったバンドである。可能性が顔を出す前に、全てが隠されてしまったのだから仕方が無い。
今後、このバンドについての憶測はさらに溢れていくと思うが、そのどれをとっても、まったく輝いていないというのは、イメージが拘束されてしまった故の結果であり、ローゼス側にも我々の側にも責任は無いのである。
だからこそ、もう一度あの音を聴いて、伝達されたイメージを改めて構築してみることをおすすめしたい。ストーン・ローゼスの良さがこれ以上曇ってしまわぬように。
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ある世代の人は聴くものがなくなったらビートルズと言う人が多いと思いますけど、私はストーン・ローゼズです。
あのマンチェ期をリアルタイムで体験できて本当に良かったと思います。
投稿者 zuma : 2005年09月20日 23:22
マンチェ・ギターポップ世代のヒーローですよね。
あの時代の面影がいまだに最近のイギリスのバンドには残っている気がします。
やはり一過性のモノではなかったという…結果論で申し訳ないです。
今でもガンガンに聴ける最高のポップミュージックです。
投稿者 森本 : 2005年09月21日 00:23
また例の如く不確かでアレなんですけど
I'm Free
Mother Universe
という曲が好きです。(タイトルあってるかなー)
私はマンチェが好きだった頃
Lonsdaleのプルオーバーにハルシオンのゴーグル下げてました(爆)
投稿者 Y : 2005年09月21日 19:36
あ、その二曲は多分スープ・ドラゴンズの曲です!
マンチェ期はローゼスと立て続けによく流れてましたよね。
あの時代はけっこう好きなんです。
投稿者 森本 : 2005年09月21日 19:48