世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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透明な灰色が描きだす「ぼくたち」の風景は、感情の交流を拒絶している訳ではない。むしろ積極的にこちらへ手を差し伸べてくる断絶とでも言ったらよいのだろうか。うたの隙間からこぼれ出す不安や挫折は、全て偶発的な性質ではなく、意図的に作り出した感情であることが窺えるのだ。
自らが突き放した時代性を、感傷的ともいえる詩とあのアルペジオの旋律でくっきりと映し出す森田童子という象徴は決して失われるべきではない。ましてやテレビドラマの主題歌になど…と思ったのは私だけでは無い筈である。森田童子は神聖な場所として機能すべきだからだ。
ただし、森田童子は死を克服しているわけではない。死という最大の喪失に対して取るべき態度は一人の傍観者としてしっかりと見据えることだと彼女のうたは告げているように聴こえる。
これを聴いて青春のセンチメンタリズムだけを受け止めるのもいいかもしれない。だが、本質は喪失への断絶である。希望に似ているかもしれないが、どちらかというと希望のための諦念といった道のりが見えてくると思う。だからこそ彼女のうたは断じてニヒリズムの範疇に収まるべきものではないのである。ネガティブなイメージと空虚な気持ちを抱いたまま、それでも生き続けるという全ての人間の存在を、森田童子ははっきりと描写していたのだから。
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コメントしていますけど、届いていますでしょうか。。
森田童子の歌、むかしドラマの主題歌になりましたね。
聴いた時に、なんともいえない不安な気持ちがよぎった覚えがあります。
投稿者 zuma : 2005年09月26日 22:49
トラバありがとうございます。
オリジナル盤ですね。いいなぁ、うらやましい!
いまはベスト盤しか売られていないですからねぇ・・・。
投稿者 よしだ : 2005年09月26日 23:52
>zumaさん
もうしわけありません!!
スパムコメントのせいで管理が危うくなってます。
一時すべてのコメントをブロックしてましたので、ひょっとしたら流れてしまったかもしれません!!
森田童子でも聴いて暗い気分に拍車をかけます。
>よしださん
ベスト盤、一枚しか出てないんですよね。
まとめて復刻してくれると有難いんですが、なかなかポリドールも動かないですね。
森田童子って今何してるんだろう?
投稿者 森本 : 2005年09月27日 13:07
さよなら喪失。諦観。
ってかんじすね。サード聴きたい。
投稿者 れ : 2006年12月03日 10:25
サード、最高ですよ~♪
森田童子は全部いいんですが、特に最初の三枚はヤバイです。
投稿者 森本 : 2006年12月04日 20:11
マザースカイ超好きです。
投稿者 れ : 2006年12月05日 12:07
マザースカイいいですよね~。シーザーもいい仕事してます。
投稿者 森本 : 2006年12月06日 22:57