村八分 「ライブ」

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 ロックンロールは悪魔の音楽だった。ストーンズにしろブラック・サバスにしろ、彼らが黒魔術的な方法の一つとしてロックを選択した若者たちであったことは旧知の事柄である。
 海外のサタニズムのニオイがするロック・カルチャーは、ミック・ジャガーがケネス・アンガーの映画にあのようにして関ったことからも推測できるように、ドラッグ漬けの悪魔崇拝から成り立っているものである。それは土着的な習慣や信仰へのカウンターとして機能していたものであるため、日本での効果は現地のそれと比べるとイマイチな感じがしないでもなかった。
 では、日本にそのような悪魔の音楽をやるバンドがいなかったのか? と問うならば、いたのである。しかもとんでもないバケモノバンドとして今も伝説化されて語り継がれているバンドだ。
 そのバンドこそがこの村八分である。
 チャー坊の歌詞は日本特有のカウンターであり、サタニズムに代わる武器として吐き出された。ドラッグの影響丸出しのメンバー写真、冨士夫のとにかくかっこいいギターフレーズ、インパクトのありすぎるステージ、そしてその強烈なバンド名などで、あまり表にだされることはなかったバンドであるが、影響力は凄まじいものであった。
 いままでは主にこの二枚組みライブだけが入手しやすい音源であったわけだが、先日ついにボックスセットが発売され(しかもDVD付き!)、封印が解かれたこの村八分。日本で最も凶悪で危険なロックをやっていた彼らの演奏を改めて聴いてみると、やはり魔術的な印象はあるものの、その日本でしか成し得なかったであろうサタニズムに代替する迫力がしっかりと息づいており、本物のロックの恐ろしさを思い知った。
 それにしても、チャー坊と冨士夫のルックスは本当に恐い。学生時代、街でこんなのに絡まれたら嫌だなぁ、というどうでもいいことをよく考えた。本物の不良の持つ迫力が、村八分の存在に更に拍車をかけていたことは事実であろう。
 これから村八分を聴いてみよう、という方にはぜひあのボックスをオススメしたい。内容がいいボックスセットなんて滅多にないが、アレは買って損はないと思う。未発表音源やDVDだけでなく、この『ライブ』もリマスタリングされて完全復刻で入っている。
「本物のロック」という言葉を幻想で片付ける前に、この演奏だけは聴いてもらいたい。
 間違いなく、これはロックである。

投稿者:asidru 2005年12月03日 21:27

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コメント: 村八分 「ライブ」

村八分ってあまりにも名前、有名すぎですよね。森本さんの記事も説得力がありすぎです。
いつか聴いてみたいと思うんですけど、うーん、ボックスはちょっと財布的に時間がかかりそうです。。

投稿者 zuma : 2005年12月04日 11:32

お久しぶりです。

村八分、未聴DEATH。泣

投稿者 : 2005年12月04日 16:12

>zumaさん
村八分は知名度高いわりにみんなちゃんと聴かないんですよね。とんでもない迫力のロックですので、機会があればぜひ。

>れさん
お久し振りです。まずはツタヤあたりでこの「ライブ」をレンタルすることをオススメします!

投稿者 森本 : 2005年12月05日 05:55

この作品てあまりに有名なんで、つい目にするとなんか言いたくなります。
ロックでもなんでも奇跡的な作品て、その時代、瞬間のすべての偶然が一致して、必然として現出するものだと思います。
「村八分ライブ」のジャケに浮かぶチャー坊のこの世のものとは思えない表情、こんなものがとらえられたのは、音以前に奇跡的な作品だったからだと思います。

投稿者 吉澤 : 2005年12月07日 06:22

存在自体が奇跡ですよね。凄すぎます。
何度観てもこのジャケットのインパクトには惹かれてしまいます。
本当の意味で名盤だと思います。

投稿者 森本 : 2005年12月07日 06:52

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