世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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理由ではなく、原因が闇(病み)に包まれている。
エイソップ・ロックの登場はヒップホップシーンにおいて、その根源的な部分を闇に隠したまま、強烈なインパクトをもっていた。彼のラップがダークな色彩のみで構成されている原因は、疲労の表現を音と言葉で行ったが故の結果がダイレクトに繁栄されているからである。
突き詰めた疲労。エイソップのサウンドから滲み出る重さには、倦怠感ではなく、とてつもない疲れが感じられるのだ。
このアルバムの30分ほどの短い時間は、全てモノクロームの精神的苦痛に支配されており、通常のアッパー系ヒップホップを聴き慣れた者にとっては非常に辛い体験になるかもしれない。だが、本当の意味で生活→政治までの表現を展開するならば、ここにある手法こそが有効なヒップホップだと思う。
社会における個人の、その各々が病根なのだというイメージを、エイソップは常に抱きかかえているのである。
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