世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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2ヶ月くらいまえに、Google moonという月面を探索できるサービスがGoogleから公開された。
確かに月がPCのモニターで確認できて大変面白いのであるが、この装置のせいでまた一つ月の神秘性が剥奪されてしまったような気がするのは私だけであろうか?
もともと、月の霊性が失墜しなかったのは、物理的に届かぬが見ることは出来るという性質があったからであり、さらに科学的にも人類にあらゆる影響を与え続けていることが立証されているからである。
それをだれもが画面上で擬似的に所有できるとなると、ドラマ的ではあるが神秘性は薄れてしまう気がする。
しかし、これまで人類へ文化的、精神的に深い影響を及ぼしてきた月が、そう簡単に落城する筈はない。いつまでも月は魔であり脅威であり続けなければならないのだ。
だからこそ、我々はこのGoogle moonで思い切り月世界をもて遊んでみれば良いのだし、Google moonは更に細かく月面を観測できるようになればいいのである。
ひょっとしたら稲垣足穂の「ニッケルメッキの月」がそこにあるかもしれないし、ルネ・マグリットの「帽子の中の月」が見えるかもしれない。
月はまだまだ魔的な色彩を帯びているのである。
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