世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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ブレイカーズのテープにカビが生えて捨てざるを得なくなった。
当時、僕の住んでいた部屋はやたらと湿度が高く、畳も箪笥の表面にすらも、うっすらとカビが発生していた。そのせいでずいぶんとたくさんのビデオテープやカセットテープ、機材が使い物にならなくなってしまったのだ。被害は深刻で、カビの力って恐ろしいなぁ、などと言ってられるほど穏やかな状況でもなかったのである。
真島昌利といえばザ・ブレイカーズ。最高にカッコいい、イカシたビートバンド。そんなブレイカーズのテープがダメになって、僕はそれ以来マーシーの曲を聴いていなかった。
本作「夏のぬけがら」はブレイカーズ時代の名曲「アンダルシアに憧れて」も収録されていることで有名だが、真島昌利という人の優れた作曲センスにまず驚かされる。ゆったりとしたサイケデリックな楽曲と、マーシーの枯れた歌声は絶品であり、ブルーハーツともブレイカーズとも違う景色を描いている。
面白いのは、友部正人の曲をマーシーが歌って、ここまでピッタリと合った雰囲気を作り出していることだろう。
この「夏のぬけがら」はゆったりとした郷愁感覚と、真島昌利本来の音楽性が剥き出しになった傑作である。ブルーハーツよりも、僕はここでの彼が好きだ。とびきり素直でそのままの楽曲に、彼の飾らないボーカルが乗っかることによって、ブルーハーツとは違う青春が顔を出している。
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