真島昌利 「夏のぬけがら」

夏のぬけがら.jpg

 ブレイカーズのテープにカビが生えて捨てざるを得なくなった。
 当時、僕の住んでいた部屋はやたらと湿度が高く、畳も箪笥の表面にすらも、うっすらとカビが発生していた。そのせいでずいぶんとたくさんのビデオテープやカセットテープ、機材が使い物にならなくなってしまったのだ。被害は深刻で、カビの力って恐ろしいなぁ、などと言ってられるほど穏やかな状況でもなかったのである。
 真島昌利といえばザ・ブレイカーズ。最高にカッコいい、イカシたビートバンド。そんなブレイカーズのテープがダメになって、僕はそれ以来マーシーの曲を聴いていなかった。
 本作「夏のぬけがら」はブレイカーズ時代の名曲「アンダルシアに憧れて」も収録されていることで有名だが、真島昌利という人の優れた作曲センスにまず驚かされる。ゆったりとしたサイケデリックな楽曲と、マーシーの枯れた歌声は絶品であり、ブルーハーツともブレイカーズとも違う景色を描いている。
 面白いのは、友部正人の曲をマーシーが歌って、ここまでピッタリと合った雰囲気を作り出していることだろう。
 この「夏のぬけがら」はゆったりとした郷愁感覚と、真島昌利本来の音楽性が剥き出しになった傑作である。ブルーハーツよりも、僕はここでの彼が好きだ。とびきり素直でそのままの楽曲に、彼の飾らないボーカルが乗っかることによって、ブルーハーツとは違う青春が顔を出している。
 

投稿者:asidru 2005年06月24日 11:29

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.asiandrug.jp/mt-tb.cgi/385

コメント: 真島昌利 「夏のぬけがら」

Search