世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
« 狂人病 「復活」 | メイン | ジョン・ゾーン 「ネイキッド・シティ」 »
島根の小さなレーベルからひっそりと出ていて、なんとなく買ったらものすごく良かった。
あれから何年か経ち、もうこのアルバムを聴くこともめっきり少なくなったが、最近では普通に売れているらしく、テレビなんかでも見るようになった。
思えば雨の降る日に、朝から何もせず、ずっとこのアルバムを聴いていた時期もあった。
吉祥寺のスターパインズ(記憶があやふやなので定かではないが)でやったライヴも印象に残っているし、決して忘れ去るような音楽ではないのだが、私は意図的に、彼女の歌を避けているのかもしれない。深く落ち込むような暗さではないが、無機質な、気だるい雰囲気のジャズ・ピアノが聞こえたら、もう私はダメになってしまう。
私にとってはもの凄い一枚だが、世間ではただの『うたもの』としての評価しかされていないのが残念だ。あのピアノの旋律に、あの声が被さった瞬間の魔法は、いまだに私の恐怖を呼び起こすのである。
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.asiandrug.jp/mt-tb.cgi/321