世の中の右と左そしてうしろ 暗がりで笑う人をみたときや 銀行のATMで現金を取り忘れたときに なんとなく読むブログ
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63年作、サイケな特撮SFホラーである。
R・G・ワッソンが 『聖なるキノコ ソーマ』の中で、ベニテングダケこそが古代インドのシャーマニズムで神格化されていたソーマではないか、との仮説を打ち立ててから、キノコに宿る霊性が再び注目され始めた。そして巷には例の「マジックマッシュルーム」が流行り、すぐに規制されるも、その幻覚を誘発する神秘的な側面でのイメージだけが膨れ上がり、いつしかキノコというものの存在が特別視されるようになった。
この映画でのサイケ感覚はドラッギーな幻覚を根にしておらず、シャーマニズムからのインスピレーションが強いような印象を受ける。ストーリーがただのサイケムービーで終わらせずに、追い込まれた人間の穢さや醜さをリアルに描ききっていたことからも、その精神的な作用といった点で、シャーマニズムに類似すると考えられるのだ。
マタンゴを僕は昔台風の日に友人とわざわざレイトショーで観に行ったのだが、このあまりに強烈な展開とクオリティの高い映像に深く感銘を受けた。キノコに対してのイメージが変化したのはこの瞬間である。マタンゴは忘れられない思い出だが、同時に僕の中のキノコ観を一変させてしまったのだ。
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またまたマニアックな。物語語り手の奪い合い。その語り手さえも最後には嘘を吐いている事が判明する。結局何を信じたら良いのやらわからなくなる。円谷の戦争に行くことのなかった黒澤の羅生門に対する回答という印象を受けますね。
投稿者 れ : 2005年04月02日 19:34
この時代のSF系特撮映画はすごいですね。
吸血鬼ゴケミドロとか、昆虫大戦争とか。
ガス人間第一号もよかった気がする。
投稿者 森本 : 2005年04月04日 15:09