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日本で唯一の、本物のポリティカルパンク。
「愛のかけら」や連作ソノシートに続いてリリースされた本作は、さらに演奏にまとまりも出てリアルというバンドの凄みが増している。まさに職人芸というか、洗練された世界が見事なまでに構築されているし、このバンドが最初から根本的に信念を曲げていないこともよく分かる。
ここまでの本格的なポリティカル・パンクが日本という土壌でポピュラリティを得ないのは、ぬるま湯のような偽りの平和に国民が安心しきっているからであり、その腐敗した魂にリアルは噛み付く。
システムに惑わされず、偽善を憎み、本当の平和を追求する。リアルの一貫した姿勢は神々しくもあり、この時点で結成から10年以上という相当なキャリアを持っているバンドなのに、初期衝動的な気持ちがまったく衰えていないことに驚愕せざるをえない。
メロディアスなギター、的確なリズム、そしてポリティカルな歌詞を鋭い発声で聞かせるヴォーカルは、まさに日本の誇るべきパンクのあり方だと思う。
初期の頃はハードコア系のギグに参加し、ADKからリリースもしていたリアルだが、ここにきてその理由がなんとなく分かった気がする。彼らは精神的にハードコアの先を見据えていたのだろうし、パンクという形で表現できる自分たちの意志を強固に確信していたのだろう。だからこそ、当時のハードコア勢とともにライヴをやり、周りを圧倒するような強烈なオリジナリティを発していたのだろうと考えられる。
リアルほど真摯なポリティカル・パンクは今後出現することはないだろう。
PS.資料提供で協力していただいた吉澤様に感謝いたします。ありがとうございました!!
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やべぇ。聴きてぇ。
投稿者 れ : 2005年08月02日 20:32
これはカッコイイです。
国内のパンクというものについてしばし考えさせられる傑作です。
初期の頃の曲もいいですが、90年代に入ってからの洗練された感じがこのバンドの一番おいしいところだったのかも知れません。
投稿者 森本 : 2005年08月02日 21:23
うーん、ネオアコからハードコアまで。。森本さんはすごいですね。
私は、やっぱり邦楽が完全に欠如しているのでしょうか。。
これからも頑張って勉強させていただきます!
投稿者 zuma : 2005年08月03日 00:57
いやいや、zumaさんの方が守備範囲広いですよ(笑)。
私もまだまだ勉強(?)不足なので、
今後ともよろしくお願いします!!
投稿者 森本 : 2005年08月03日 19:39
このアルバム凄そうですね!
聴きたい!!!!!!!
天国注射の昼でしたか、ビデオでREALの演奏に
シビれました・・・・
投稿者 ueda : 2007年02月08日 00:36
>uedaさん
このアルバムともう一枚「訣別」というCDが出ているのですが、二枚とも後期リアルを知るには最適な好内容になっています。
いま聴いても物凄いかっこよさです。
投稿者 森本 : 2007年02月08日 17:50