真夜中のカーボーイ

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 頽廃的過ぎるニューヨークの空気が哀しい名作。主題歌も泣けるし、見終わった後の憂鬱な気分は一度味わったら忘れられない。
 ラストのバスのシーンでマジに泣きそうになった、という人も多いと思いますが、そんな中そ知らぬ顔で化粧し続けるババアのカットがチラッと挿入されるところがまたニクイ。一体何を考えてこのシーンを撮ったのだろうか? 何度となく観ている(けっこう深夜に放送されたりしてた)のだが、未だに何を描いたシーンなのか分からない。
 ひたすら不幸で憂鬱なニューヨークの荒んだ生活との対比のつもりで、あのババアのカットがあったとするなら、監督は天才的なセンスの持ち主だ。この映画は感動とかそういう種類のものじゃなく、落ち込む灰色の気分を誘発する。
 高校時代、よくこの映画を観た。安定しない日常を送っている者にとっては、この映画は重い。当時将来の自分に意図的に不安になって自虐的な快感を得るために、僕はこのビデオを何度も観たのである。
 だから自殺しそうな奴とかは絶対観ない方がいいだろう。こんなのを観た後に自殺の名所に行ったりするのもヤバイ。鑑賞後はおとなしく寝るか、楽しいことを考えたりして憂鬱な気分を晴らさなければ、救われないままという、爆弾みたいな映画である。

投稿者:asidru 2005年01月13日 22:26

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